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「自分でつくらない」貨幣経済のライフスタイル
2012/01/19(Thu)
発酵は毎日ちがう。一刻一刻が同じじゃないから面白い。寒くて漬物が樽の中で静かなので、味噌作りに気が移っている。味噌蔵を訪ね、「発酵は奥が深い」という点で意見が一致したところ、「何なら蔵の中を見ていくかい」。

子供のころ、ぬか床の世話をまかされたことがある。中学にあがると天然酵母を使って毎日パンを焼いていた。
「発酵は毎日ちがいますよね。いつも同じじゃないから発酵って面白い。飽きませんよね!」。味噌作りの方と話すうち、私の中に眠っていた感覚が目を覚ましてゆく。
「そうそう。でもお客さんに渡すものはできるだけ同じ味にと気をつかうんだよ」。
大人の背丈ほどもある使い古した味噌樽を、つま先立ってのぞいたら、空っぽの樽の底がぽかんと丸い口を開いていた。今はあまりたくさんは作っていないのだという。

いつ、どこでも同じものが出てくる。ハンバーガーもお野菜も、工業製品のように、世界中どこでも同じ味が提供されるのが商品価値である。一回一回買うたびに味がちがうというのでは、商品として失格なのだろう。
しかし発酵の魅力は一度きりのもの。移り変わってゆくことを楽しめるっていうことにあるのではないか。
「同じ結果」を目指すのが、そんなによいことなのだろうか。
酵母パンも漬物も、私はプロではないから同じ味になるようにという配慮はしなかった。二度と同じものはできず、むしろそのことを楽しんだ。同じ出来上がりのものでも、口に入るまでの時間の経過で味わいは移り変わってゆく。同じものなど二度と食べられない。
どの変化形も私にはいとおしく、最初から育ててきた発酵の完成品を「まずい」と感じることなど、ほとんどない。

「自分でつくらない」。貨幣経済はそれがベースのライフスタイルである。貨幣経済が発達してゆけば、分業は効率の点で当たり前。金と引き換えに、ショーウィンドウから自分のエコバッグへ、物を移すことを繰り返す。そんな生活が、どこか味気なく感じられはしないだろうか。
漬物や味噌、発酵食を自分でつくりたいという私の欲求は、そこに発しているように思う。
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