アラブ地域の富豪のところに嫁入りしたまではよかったのだけれど
2008/06/26(Thu)
学生時代に海外の人と結婚しようか迷った時期がある。しかしちょうどその頃、同じ大学の学生が、アラブ地域の富豪と結婚したまではよかったが、第三夫人だか何だかで自由を拘束された生活になってしまったという話を聞いた。

夏や冬の長期休暇が明けると、海外に行った学生の中には何らかのトラブルにまきこまれている者がいることがあり、担当教授などが対処に追われたりもするのである。もちろんそれはオフレコである。教授室にいると誰かがぽろりと洩らしたり、知人や近しい学生によってリークされたりするものであった。
フィールドワークをする教授たちの話を聞き、戦闘のあっている地域に足を運ぶ者もいるし、現地の宗教上の慣習で失敗し、逮捕されて監禁される者もあったらしい。アラブ地域の富豪と結婚したという学生は、日本の基準で考えればよい結婚の条件を満たしていると思ったらしいのだが、それはまったくの誤算であった。

教授たちの間では国際結婚は珍しくなかった。相手を個人として好きだというのも勿論だろうが、どうやら最初から、生活をともにする相手は自分の専門とする地域のネイティブの中からと決めていたようなふしがある。自分の語学面でのフォローは勿論のこと、外から関わるだけではわからないような、異文化の微妙な皮膚感覚まで知ることができる。いや、自分の専門地域のことなら何でも熱烈に好きなので、その地域に生まれ育ち、しかもそれが異性であれば愛さないというほうがおかしい。それくらいに彼らは自分の専門とする地域のことが好きなのである。

そうした学内の環境にいて、海外からの留学生と接する機会も多いということもあり、国際結婚に抵抗を感じないというより、どうせ結婚をするなら海外の人のほうがいいという感覚をいつの間にか身に着ける。しかしアラブ地域へ行った学生は、厳格なイスラム社会の中で女性だけの生活空間に閉じ込められ、自由に外出さえできなかったようだ。日本の両親に助けを求める手紙を書き、大学関係者のはからいで迎えの者が現地へ出向いて、日本に連れられて戻ってきたときく。どこまで本当かわからないような話ではある。
しかし当時は自己責任というような言葉を言う人はいなかったし、自己責任という言葉の持つ抑制力のようなものもなかった。学生なんだから、失敗はあたりまえ。バカだよなあ、ドジ踏んじゃって、くらいに笑って済ませられていたような、そんな感じがしている。
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