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自身の体の世界へ目が開かれてくる。それを一番だいじにしたい
2011/06/27(Mon)
腹八分・腹六分の、八分とか六分とかを、ごまかし・でたらめでなく実行するには少なくとも十分を知る必要がある。
自分のやったことのもたらした結果や影響を把握することはむずかしい。そのむずかしさが分かった上で「操体法は六割主義だからやりすぎないように」というのを実行したいところだが、言うは易しだ。
橋本敬三先生がユニオン大学操体法学科で使われたテキストには、ただ漫然とやっていては操体法が泣く、という記述がある。
「六割でやめておく」ということと、「漫然とやる」ということの違い。ごまかしでも、でたらめでも、あきらめでもなく、「これがほどほどだ、六割だ」という、引きぎわみたいな間合いを、どこでどう判断すればよいものか。
自分はこのことを心のすみっこで考え続けている。

十割を把握しなければ六割も分からない。この体の条件で、この場合の十割は、どこにあるのか。分かれば苦労はないのである。後に出てきた結果が予想とぴたり一致するということはまず、ない。
「六割でやめておく」つもりが実は五割だったら。四割だったら。ほんとうに適当に「もうここから先は今の自分にはわからないから六割ということにしとこう」なんてやっていたら、決して外してはならない肝要なことを外したままでも気がつくことはないのではないか。

「どんな頼みが舞い込んでも、自分は三回で解決すると、相手に宣言するんだ」。
ずっと以前にそう伺ったことがある。
三日間連続で体をみさせてもらう。それができない事情があれば、週に一度を三べん続けてもらう。ただしこの場合は、来た日の翌日と翌々日は必ず自分で操法を実行してもらわなければならない。
一同、嘆息した。「そんなこと言ってほんとうに大丈夫なのか」「自分にはできない、そんなこと」。
もし結果が出なければ大ウソつきになる。

後日、何度か実行する機会があった。命がけ、というと軽々しく聞こえるかもしれないが、なかなか言えるものではない。こっちは真剣もいいところだ。しかし「あーこういうことだったのか」と自分なりの納得はあった。三べんは来てもらうというこの「三べんルール」を基本に体を集中して見守ってゆくと、回を重ねるごとに変化が見え、肝要なポイントも見えてくる。およそ三回で体の変化はご本人に実感される。
回を重ねるたびに、体からは余計なものが取り払われてくる。次々と整理され、片付けが進む。そして新たな課題や風景が、遠くまで見通せてくる。そのような進展が互いに実感されないとなれば、「手応えなし」ということ。術者側の責任は大きい。
ご本人に感動や意識の変化、気づきがあらわれるかどうか。それも重要な判断基準ではなかろうかと思う。操体法特有の感動がなければ、それは操体法と呼んではならない。ご本人が的確に「こっちはこんな感じ」「こうするとこんな感じ」と感覚をはっきりと言葉に出せるようになるというのも判断基準の一つと思われる。

「このくらいでいいや」でずっとやっていたら、いずれは互いに飽きてくる。何が起こって、どこがどう変化しているのか。それが具体的に本人の感覚で分かるようになるのが好奇心と励みにつながり、感動や驚きにもつながる。飽きるどころか、自身の体の世界への目が開かれてくる。漫然としていない唯一の証拠といえば、それが一番だいじなのかもしれない。


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コメント
- コメントありがとうございます。 -
ユニオン大学のテキストは自分の師匠の研究会で入手した写しで、由来を訊くこともなく長年使用していますが、今度聞いておこうかと思います。昨年お亡くなりになった橋本敬三先生の直弟子の方が模範をつとめ、その直接の流れで入手されたと思われます。
2011/07/03 23:17  | URL | 山下えつ子 #-[ 編集]
-  -
初めてメールします。いつも楽しみに読ませていただいております。ユニオン大学のお話は聞いたことがあるような、ないような。経緯や時期などご存知であれば教えていただけませんか。
2011/07/01 11:22  | URL | 許ッシン #-[ 編集]
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