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筋肉をほぐす工夫-まずはゆっくりと、ごまかしなく動いてみる-
2011/06/15(Wed)
「健康によい」と言われる動きには「ゆっくり動く」というものが少なくない。太極拳、ヨガ、操体法などである。弾みをつけたり素早い動作とでは、どこが、どうちがうのか。

百人の小人たちが整然と並び、荷物をのせたそりにつながれている。「右へ」の号令でざざっと右へ、「左へ」の号令で左へと、足並みそろえて荷物を運ぶとする。ちょうどよい速さなら遅れることなく、全員が同時に右へ向かい、左へ向かい、するだろうが、速度をあげてゆくと、ついてゆけない小人たちが続出する。ついてゆける者が荷物を引っ張り、ついてゆけない者は、空回りする。
速度が速くなればなるほど、ついてゆけない小人たちが増え、荷物を引っ張る者は少数となる。
骨格を動かす筋肉も、これと似たようなことが起きると考えられる。

筋トレにいそしむ学生たちが、「ほら」と嬉しそうに筋肉を見せてくれる。歯並びの悪い歯のように筋肉の付き方がいびつである。「せっかくなら、きれいに筋肉つけたら」と言いたくもなる。
なぜこんな筋肉の付きかたをするのか。彼らが目の前で見せてくれる筋トレの動きもまた、いびつである。「いちっ、にっ、さんっ」と腕立て伏せをする彼らの動きは体のあちこちに無理がかかっている。その無理をがまんすることが筋肉をつくるというので歯を食いしばり、顔をゆがませ、動きのよくないところを、動きのよいところでカバーする。動きに関わる筋肉が限定され、ついてゆけない筋肉が置き去りにされている。
負担の大きなところが肥大し、動きのよくないところは筋肉がやせてゆき、アンバランスが広がってゆく。「歯並びのわるい状態」であるのは、そういうこと。
「筋肉ついたら、どうなった?」訊ねると、「腰痛がひどい。オレの体もうぼろぼろ」「疲れやすい」「歩いたり立ったりがだるい」などと平気で言う。

速い動きだからダメ、ということではない。同じ動作でも、どのくらいの速さで動くか、こめる力の具合はどうかによって、どの筋肉が、どのくらいの負担をするのかがちがってくるということは、筋肉をゆるめる上で重要な意味を持っているのではないかと思われる。


※九州・福岡市内にて操体法を知っていただく活動をしています。毎週定期的に集まって講習を開いています。一般の方・初心者の方も自由に参加できます。個別にも対応していますので、ご相談ください。
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