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1日ぐらいは飢えてみて、食べものを分け合う
2010/12/01(Wed)
散歩する犬を見ていると、毛の長さも色も、大きさも、体格から何からこんなにいろいろあるかと感心する。こんなに幅があるものを犬という名でひとくくりにするのが不思議に思えてくる。
しかし人間のいろいろは、もっとすごい。動物占いではないが、動物全般から神仏に近いものまで人間には幅がいくらもあるではないか。さらにもっとすごいところは、同じ一人の人間が、ケダモノじみたかと思うと神仏じみてくるなど、変化がものすごく大きいということ。また、神仏めいた部分と同時にケダモノめいた部分をあわせ持つといった矛盾にもすごいものがある。人間に比べれば犬は本能にしばられてずいぶん固定したもののようにも見える。

怒ると人は人間という名をしたケダモノのようにも見えてくる。感情に大きく支配されているときに、我々どうしてもケダモノの本性が表れてしまうものなのかもしれない。
争いの場面にはもちろんケダモノ性が発揮される。ブッダをイメージしながらプロレスする人はいない。リングの上では虎のマスクでもかぶったほうが暴れられるというものだ。
わたしはケダモノなんかじゃありませんと澄ましていても、食べ物を一日や二日取り上げられた後、少ない食料を何人かで分配しなければならないようなことにでもなったら、どうか。争いにまでは至らなくとも心の中ではケダモノの声とそれを抑える声とのやりとりで忙しいのではないか。
このような点で、人間は弱いものだと思う。

ブッダはむさぼりを戒めている。「もっと、さらにもっと」という、むさぼる心に気をつけろと、『ブッダのことば』(岩波書店)に記述されている。むさぼる心はいうまでもなく神仏の声ではない。野獣のようなすさまじいむさぼりの声を、自分自身で対処していくには智恵と工夫が不可欠で、人間の頭脳は、自分自身をコントロールすることにこそ駆使されるべきといえる。自己コントロールがどれだけ困難かを体験するたびに、自分自身の持つ弱さ、人間としての弱さを知る。そうやって、自分自身に振り回されない技術を少しずつ身につける。ブッダは感情の爆発についても戒めている。仏教だけではない。宗教は日常生活の中で、人間の持つケダモノの性質をどうコントロールするかという課題を提示し、その課題に取組むことを私たちに勧めている。そのようにして、人間の精神性、霊性を高め、争いのない日常の構築を目指す機能があると思う。

ものが不足し争いが起こるということは容易にイメージできるが、ものが豊富な環境では、自分の中に仕込まれたケダモノの本性に気づかされる場面にとぼしく、争いのタネが少ないようでいてむしろキレやすく、争いの起こりやすい傾向が見られても不思議ではないのかもしれない。
むかし貧しかったころのほうが人情というものが感じられたという話もよく耳にする。
「もちろん、むかしだってイジメもあったし争いもあったけど、本当に困ったときにはしぜんと集まって助けたもんです。今は、そんなことないですね。干渉しないで遠巻きに見ている感じ。なんか冷たいですよね」
戦争中の日本には食べものが少なく日常も不便だったが、それは全体そうだったから不平不満も当たり前すぎて言い出す気にもならなかったろう。貧しく空腹だからといって全員が内輪の争いに参加していては不幸が増すだけだ。貧しく空腹でも周囲への配慮を欠かさず、冷静な判断を下せる人間像を、人々は求めただろうし、実際にそんな人が尊敬もされ、周囲のよい模範とされただろう。人は、肉体的苦痛にもっとも弱い。暴力にも弱ければ空腹にも弱い。ケガや病気の苦痛にも、からきし意気地がない。しかしそんな苦痛の中でも理性を失わずにいることができないわけではない。わたしはそのような点で人間の強さを思う。

健康のためというのでももちろんよいのだが、精神面の理由で定期的に断食を実行する人もいる。家族みんなで一日の食を絶ち、その後、少ない食料を分け合いながら感謝しあったり、互いに心配りをしたり、いたわりあったりする機会を持つのも素敵である。そのようなことを通じて自分の中のケダモノ心とじょうずにつきあうことをおぼえる機会とするのも必要なのかもしれない。家族のきずなを強くするにも有効なことのように思われるし、心身の鍛錬にも有効だろう。
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