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詫び状を、書く-うらみの心理-
2014/01/25(Sat)
年に一度くらいは詫び状をしたためる。書く前に、便せん封筒など買いに出かける。部屋に戻って何通か書いてみて、一番ましなものを封筒に入れる。すでに二時間や三時間は経っている。
詫び状は一日仕事になる。そんな時間があれば、最初からミスをしなければよい。しかし誰にも信じられないポカをやる。思い返せば年末からロードサービスのお世話になりっぱなしだ。タイヤのパンク、バッテリー上がり。そしてちょうど二日前、笑うに笑えないことが起こった。

通いなれた山の、上り坂を走るうち、車の走りが妙に感じられ、待避線に入る。サイドブレーキをかけ、エンジンを切り、ブレーキから足をはずしたとたん、ずるずるっと車が動く。ブレーキを踏むと止まり、足をゆるめると、ぞろぞろ音をたててずり落ちる。ため息をつき、家人に電話する。「いま、わたしは、車の中にいます。それから」と状況を伝えるうち、事態がのみこめてきた。道路は濡れているように見えたがかちかちに凍っている。ノーマルタイヤで上れるだけ上り、動けそうになくて退避したのが、凍った坂のど真ん中。家人は電話の向こうで叫んでいる。「はやく、救援を、呼びなさーいっ!」


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「一時間はかかります」との声に、「来てもらえるだけでじゅうぶん」と電話を切る。後ろを振り向けば数メートル先に深い側溝がある。「あそこで止まればいいけどな」止まらなければ坂道をくるくる舞いながら、ガードレールを突っ切って放り出されて…自分のすべてが託されている一本の足を、信じられない思いで眺める。
何と愚かなことを!
ほんの三十分前までの自分の気楽さがあまりにバカらしい。いくらなんでも油断しすぎだ。思えば最近のおまえはなってなかった。まるでちゃらんぽらんだったじゃないか。
ブレーキの足を両足にしたり、片足ずついれかえたりしながら荷物を調べると本がある。『「うらみ」の心理』。話ができすぎている。苦笑しながら読み進むうち、引き込まれて時間は過ぎた。

書き終わった詫び状は、大きな郵便局で速達にしてもらい、窓口の局員の手に託す。もう夜はすっかりふけている。読まれないまま終わるのかもしれないが、自分にできるのはここまでだ。
詫び状を出すたびに、自分の心が押し広げられる。気づかないうちに狭まっていた心が、痛みをともなって広げられる。ゆるしてもらおうとする前に、自分自身も過去を振り返ってたくさんのことをゆるさなければならない。長い懺悔の一日の、幕が下りてゆく。


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