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伏せた顔をあげて信号の色を確かめる
2013/06/12(Wed)
気づいたとき、すでに私は流れの中に、いた。
見上げるほど大きな人たちが、ぞろぞろと歩いていた。肩と肩が触れるか触れないかの距離を保ちながら。
子供の私はちょこまかと歩みを繰り出しながら、「顔を伏せて歩いていればよいのだ」と思った。じっさいに母も「顔を伏せていなさい」と言い、学校の先生もまた、「みんなといっしょに行進してさえいれば、何も問題ない」と言うのだった。


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それでも息が苦しくなることがあり、私はときに顔をあげ、息つぎをする。それは窒息しない程度のささやかな脱線で、周囲を見渡すことなど思いも及ばない。「どうせ、どこの世界もおんなじだよ」は、ばあちゃんの口ぐせだった。

そのうち、「ここはどうやら横断歩道らしい」とわかってきた。どこかに設置してある拡声器からは、「信号は青です。お渡りください。信号は青です」という機械的な音声が流れ続けている。テレビもラジオも、スイッチをひねれば「本日もまことに申し分のない青信号で」というのが決まり文句である。
私の耳にはいつの頃からか、「信号の色を確かめなさい」という声が届くこともある。それはすっかり忘れたころに届くかすかなささやきにすぎない。よくよく耳をすませてみれば、「信号の色が赤なら先に行ってはいけない。まず信号の色を確かめなさい。あなたの目はそのためについているのだし、あなたの感覚もそのためにそなわっているのだから」と言うのだった。

周囲に相談すると、「その声こそは危険思想。まやかしである」という忠告が返ってくる。しかし息つぎに顔をあげた拍子に、ちょっと見渡してみると、目が合う。顔をあげてきょろきょろしている人が案外といるらしいのである。
ごつ、と音がして肩に衝撃が伝わってくる。「バカ!どこに目をつけてやがる!」と怒鳴られながら立ちすくんでいる人が、いる。ぎゅっと口を閉じたまま、黙ってコースを変えてどこかに去ってゆく人。「信号は赤なんじゃないの?」と叫びながら、流れに足をとられている人。「青に決まってるじゃん」とやり返す人もいるが、私の目には、うすぼんやりと、信号機の明かりらしきものが映るだけだ。

「そんなことを言っていたら、いい大学には行けません。とりあえず今は教科書の暗記に集中しなさい」と受験生に有無を言わさずはっぱをかけ続けた日々が、自分にもあったと思い出されることが、ある。

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