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八十で達成された健康-こういう勝利のしかたもある-
2013/04/21(Sun)
母が少しずつ、しかし確実に変身していったのは、六十を越えてからだ。年に数回会うごとに、表情は明るさを増し、歌うような口調で「操体法」という言葉を口にする。
これは驚くべき変化だった。


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外では装っているものの、家の中では笑顔で話しかけてくる姿など一度も見たことはない。眉間にシワを寄せ、むっつり黙りこみ、昼間でも布団にもぐりこんで動かない。私の小さいころから見慣れた母の姿である。「この人、何が楽しくて生きているのだろう」と子供心に何度思ったかわからない。
私は明るい母に、慎重に距離を置くことにした。「どこかでだまされてでもいるんじゃないか」と思ったからだ。
今から二十一年前のことになる。

母がここまで生きるとも思わなかったし、こんな背筋のしゃんとした人になるとも思わなかった。こんなに堂々と生意気な口をたたく姿を見ようとは、まったく思いもよらなかった。
「おかあさんの背筋、ほんとにすごいのびてますね。結局、腰も背中も曲がりませんでしたねえ」感心して言うと、「ほれ」と軽く前屈してみせた。両の手のひらは難なくぺたりと床に貼りついた。
「体がかたくてかたくて」と七十代まで苦にしていた人が、ここにきて、こうもなる。

母の様子を眺める私の耳の中で、師匠の声がふいによみがえる。
「おいお前、何年生きてるんだ? たった四十年やそこら生きたくらいで結論出すのか。あきらめるのか!」
つまらぬことを口にした私を、師匠はいつものようには見過ごさなかった。おだやかな師匠のどこにしまってあったかと驚くような、激しい不意打ちに、私はただただ恥ずかしく、ただただ怖かった。
「お前何年生きてるんだ? たった四十何年生きたくらいで結論出すのかっ、あきらめるのかっ」
二十一年でたった一度だけの、叱責。

八十歳の母の目の前で、五十一歳の私が、前屈をやってみせる。
「ほら。わたしのほうは、ぜんぜんつかなくなりました」
昔はヨガのポーズを見せびらかしていた私が、今はいろいろと事情もあってできなくなった。
人一倍心配性だった母が、前屈から顔をあげると、もう私のほうなど見向きもしない。
いま、人生の中で最も勇ましい姿を見せる母は、師匠に預けっぱなしの母でもある。子供の私がとうにあきらめてしまった母に、途切れることなく続けられてきた、師匠の働きかけのことを、思う。(この項おわり)

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