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身体を読み解くイメージ-現代の内丹法-
2013/01/20(Sun)
金も名誉も地位もこれ以上は望めない皇帝たちが最後に望むもの。それが不老長寿である。
不老長寿の薬を「丹」という。外丹法とは薬物による延命術。植物や鉱物などから薬をつくり、服用するなどして外から補うやり方である。
唐の時代の人々は外丹法に限界を感じたらしい。薬物をつくるにはお金もかかるし副作用もある。「延命をはかる方法で体を傷めつける」というのでは何をやっているのだかわからなくなる。
「究極の自然薬は我々の体の中にある」ということに昔の人は気がついていた。
自分たちの体でつくられる薬には副作用がなく、もっとも確実で信頼がおける。しかも無料とくればまことに結構。
内丹法とは文字通り、自分の体の内側でつくられる物質=不老長寿の薬を最大限に活用しようというものである。不老長寿の薬を練り上げる製造所は体にある。生活の中で体をつくってゆけば不老長寿薬の製造工場がおのずと手に入る。かんたんな話だ。
仙人の肌は処女のような肌だという。老体とはこわばりひからびた体であり、筋骨が縮こまって伸びない。動きがわるい。その真逆にあるのが嬰児や女性などの柔軟性を持つ体である。生命エネルギーに満ち溢れた柔軟性を持つ体は気のめぐり、血のめぐり、水のめぐりのよい体。そういう体づくりを目指しましょうということで、呼吸法を用いた体の動きが研究されていった。

というようなことを読んでいる。外丹法から内丹法への意識の切り替えは唐代とあるから7世紀ごろの中国の話と思われるけれども、そして今は21世紀で千四百年も前の話なのだけれども、ほぼ自分の考える操体法のイメージと重なる。というか、そのものじゃないのかと思う。「温故知新」の言葉の意味が切実である。

「肉を食する者は勇敢だが猛々しい。しかし気を食する者は心が澄んで寿である。穀物を食する者は聡明であるが早めに死ぬ。食べない者は、不死にして神(しん)である。呼吸にまかせて気のわずらいがない。言い伝えによると、あれやこれやと雑食する者は、百病妖邪の集まるところであり、食をいよいよ少なくすれば、心はどんどんと解放され、寿命がどんどん増すのである。食するところ多ければ、心がどんどんと塞がって、寿命がそこなわれる」「元気を食する者は、地面に埋められることもなく、天も命を奪うことができず…」

これらの記述はマクロビオティックをはじめとする食養のイメージに重なる。
「人は穀物や肉類を食べて100歳の寿命を保っているが、逆にいうと、穀物や肉類を食べているからたかだか100歳までしか生きられないのだし、病気にもかかるのではないか」という養生法の発想も古い文献にすでに見られる。
現代は目新しいものにあふれているように見えるけれども、どこから引っ張り出してきたのかというと古典なのだろう。古い書庫の中、虫食いだらけの文献から小出しに出してきて、現代風の味つけをしただけのものも多いのではないか。

古い文献や記録から何が得られるのか。
「知識のない古い人たちの書いたものなんだから、ほとんどデタラメですよ」という話を聞いた。「どこの馬の骨が書いたかわからないような記録も多い。読むに値しない」「勝手な思い込みで書かれたものも多いから、あんなもん役に立たない」といった不信感は、現代医学を信奉する専門家から直接聞いた。
東洋医学が現場にそぐわず、有効性を否定されていった結果、現代医学がさかんになったというなら話は早いが、事実は上からの強制である。明治政府が漢方医の廃止を宣言し、西洋医学の導入のために医師の国家資格制度を立ち上げた。日本内外で広く一般的であった東洋医学が強硬に排斥されたのは歴史的な事実で、中国でも国策による禁止と暴力的な排除という動きがあったのである。その理由はともかくとして、それでも東洋医学を守ろうという人間がいたから今日も絶滅せずに一部が残っている。そのことに私は注目したい。そして何より、自分自身の数十年来の体験が、私自身にとっての決定的な説得力を持っている。

古典文献を読みあさるだけでは恐らく役には立たないだろう。幸いにも私はその方面の専門ではないのだから、素人らしく好きに読み進め、生命の歴史を積み重ねてきた自分の身体を読み解いていきたいと思う。
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