ふだんの何気ない動きの中に、体のかたさがひそんでいる。
|
2012/09/17(Mon)
|
弱れば寝返りがうてなくなる。寝た姿勢からスムーズに起き上がれない人などはいくらでもいる。エイヤと声を出したり勢いで起きるのでは、すでに体がじゅうぶん固い。
仰向けでもうつ伏せでも、力を用いるのではなく、ゆったりしぜんに起き上がるともなれば、できる人は案外と少ない。 右を支えとして起き上がれはするが、同じように左を支えで起き上がれるというのもむずかしい。右か左か、どちらか一方ならできるが、逆の側で同じように起き上がれる人など、まずないだろう。 上半身に力をこめることなしに、手足にじょうずに体重をのせかえてゆきながら、無理なく体重移動で起き上がるには、どうすればよいのか。 自分の体と相談しながらやってみる。 すると、やりにくい理由もわかってくる。自分の体がかかえる課題が、より具体的に把握できる。 仰向けから起き上がるほうがやりやすいか、うつ伏せからのほうがやりやすいかは、体のどこに固さが分布しているかによって異なる。 仰向けに寝た状態から無理なく起きるやり方の一つ。体を左右どちらかに寄せてゆき、身を縮め、手足を支えとして身を起こす。そのさいに腰がねじれ、腰から首筋にいたるまで左右のどちらかの半身が引き伸ばされ、どちらかは縮まらなければならない。 このとき大抵の場合はどこかにツッパリを感じたり、痛みを感じたりするのである。 じゅうぶんに伸びない筋肉の固さがツッパリとして感じられたり、痛みとなって感じられることもあろう。じゅうぶんに縮まってくれない筋肉の固さが圧迫と感じられたり、痛みに感じられたりすることもあろう。 ①一番やりやすい起き上がり方を、自分の体と相談しながら見つけていくのに、そう時間はかからない。誰に習わなくても誰にでもできる。本来ならカンタンな動作である。 ②やりやすい起き上がり方を見つけたら、次はまったく左右逆の動きを体と相談しながら見つけていく。これは少々勝手がちがうから、高度テクニックである。 一番やりやすい起き上がり方を、いくつかの段階に分ける。まず、体をどちらに倒しているか。どこで支えているか。段階別に、鏡で映したように、左右逆の動作を忠実にやってみるのである。 非常にやりにくい。自分の体なのに勝手がわからない。 しかしこれもまた、やればできないこともない。 やりにくいほうと、やりやすいほうと、勝手がわかったら、自分の体の動きにかなり詳しくなっている。 なぜやりにくいほうはやりにくいのか。なぜやりやすいほうはやりやすいのか。 どのあたりが伸びにくく、どのあたりが縮みにくい。どのあたりがねじりにくい。 そんなこともおのずと知れる。 わかってどうするのか? 体の不正を少なくしていくのである。 ③やりにくいほう、やりやすいほうがわかったら、やりやすいほうの動作を三回、繰り返してやってみる。 一回やるごとに、全身を脱力してじゅうぶんに休むことが大切である。 ④三回やり終えたら、やりにくいほうの動作をやってみると…あら不思議!できるわ!となったら成功である。 成功したら、それで終了。やりすぎるとせっかくの成果が水の泡となる。またやりたいのなら一時間や二時間の間をとって、やるのならいい。朝晩布団の中でやるのもいい。 「ぜんぜん変化なし」と思ったら、やり直す。やり直しは雑になりがちだが、やり直しほどていねいに行う。 やり直したあと、やりにくいほうの動作をやってみて、「あ、最初よりやりやすくなった」と思ったら、そこでやめておく。 起き上がり方は、仰向けとうつ伏せと合わせると計4種類ある。 4つのうち一番やりやすいほうからやっていくと、さいごはどれもまあまあ勝手がわかるようになる。 力をどこまで使わずにスムーズに起き上がれるか。 体に無理のない動きを身につけるための、一つの遊びである。 スポンサーサイト
|
![]() |
コメント |
![]() |
コメントの投稿 |
![]() |
トラックバック |
トラックバックURL
→http://soutai007.blog32.fc2.com/tb.php/1172-cd866eac ![]() |
| メイン |
|