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痛い経験もゆたかに重ねて加減を身につけたい-いつでも枕を高くしていられるために-
2012/08/08(Wed)
ただのケンカで命を奪うところまで、長期にわたる後遺症が残るところまで叩きのめす。
手加減を知らない一例とされる。
危険にさまざまなレベルがあることを知り、レベルに応じて対処する。「加減を知る」ということで、無益な労力や被害を最小限におさえることができる。
加減を知らないと過剰防衛に走る傾向がある。
自身の生活や生命に影響の小さいレベルから、影響の大きなレベルまで、さまざまな危険があるのに対し、最大の力を出す。
それは「加減を知らない」ということになる。
くしゃみ一つ、頭痛一つでも病院に走るほうがよいとされる世の中。いや、くしゃみの前に予防接種もある。健康診断もある。あらゆる検診がひかえている。
あらゆるいざこざが起こる前に叩きのめす。
これは手加減を知る一例となるだろうか。それとも…。

手加減を知らない人間ほどこわいものはないという。最近の子供たちが手加減を知らない第一の理由は、ケンカの経験を持たないからとも聞く。
人はたくさんの経験を通じて「手加減」を身につけていく。
ではその「経験」とは何か。
くしゃみの前に予防接種ならびにあらゆる検診を受ける。それでもくしゃみが出たら病院に走る。もらった薬を指示されたとおりに飲む。これも確かに経験だが、こんな経験を積み重ねた先には一体どんな手加減が身についてゆくだろうか。

子供たちがケンカの経験を持たない第一の理由は、大人が止めるからだという。
「ケンカなんかしちゃいけません!」「ケンカはあぶない!」「ケガするでしょう」「うらみをかうでしょう」
ケンカが起こる前に親や教師が制止する。もしくは早い段階で大人が間に入って解決させる。大人たちの干渉により、子供たちは貴重な経験の場を失い、健全な成長ができない。
これは過保護のもたらす害悪だという。
成長のためには、時には痛い目にあう必要もある。少々の危険も損失も、また貴重な体験と引き換えである。しかし最近の子供は、親のまちがった溺愛や保護主義により、苦痛の経験はさせてもらえないから、心身ともにひ弱になって、かえってかわいそうだという。過保護でひ弱な人間ほど手加減を知らないからこわいものだという。
手加減を知らないというのは、一つの感覚にたよって生きる。幅のせまい感覚で生きてゆくということだ。
感覚の幅がせまいということは、「ちょうどいい」感覚を味わえる条件が限られてくる。交通機関は苦手。あの人もこの人も苦手。暑いのも寒いのもイヤだし、体がだるいのもイヤ。長時間の山歩きどころかふつうの生活さえ耐えられない。
生活条件の圧倒的多数はイヤなことばかり。大海のように広がる「イヤだ」という感覚の中に、小さな島のような「ちょうどいい」がぽつぽつと浮かんでおり、そこにしがみついて生きていかなければ溺れてしまう。
これではもちろん苦しい。エアコンのきいた部屋に閉じこもって生きるほうがむしろラクだろう。

加減を身につけるとは、あらゆる状況の中に「ちょうどいい」感覚を見出せるということだ。
満員電車の中ですら、自分の「ちょうどいい」感覚を持つならば快適に過ごせる。真夏の暑いときにも自分の「ちょうどいい」は見つかる。苦しい山歩きの中にも「ちょうどいい」は見つけられる。
そうなればストレス知らずで自信も持てるだろう。
胃腸が丈夫なときには腹十分でも「ちょうどいい」だろうが、体の具合に応じて「ちょうどいい」は変化する。一食や二食抜いたほうが「ちょうどいい」感じになることもある。空腹にさえ「ちょうどいい」がある。それを知るには体験が不可欠だ。

どんな危機に直面しても、場合に応じた「ちょうどいい」は何かということをいち早く感じ取り、行動にうつせる。手加減を知る人間は、たくましいのである。
ちょっとやそっと気温や体温が上がったり下がったりしたくらいへっちゃら。脅されたくらいでナイフや爆弾を取り出すような不器用なこともしない。
そういうたくましさと懐の深さを身につけるための経験が必要とされる。
他人の判断にさいしょから身をゆだねてしまうのは、加減を身につける経験にはならない。
便利でサービスのゆきとどいた過保護な社会の中で、いろんなものに頼る経験を積み重ねていくと、知らぬ間に体験の幅がどんどんとせばめられてゆく。

過保護と、過剰防衛。それは一枚のコインの表と裏であるのかもしれない。
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