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ねばる動き・もがく動き・体に備わったしぜんな動きを引き出す
2012/06/17(Sun)
ゆるくなった田んぼの泥に足を突っ込む。一歩一歩が重い。ずぼった足を引き抜こうったって少々では抜けず、長靴をとられたり靴がすっぽ抜けたりする。そういうときの動きには腰が入る。
全身はがいじめにされ、身をもがくときも同じ。
ねばる動き・もがく動きは、無意識のうちに腰が入り、正しい動きに近い。

水を多めにして強力粉をどんどんかきまぜる。
両手を突っ込んでこねてゆくとコシが出てきて重いのなんの。
ゆるくなった田んぼの泥と同じだ。手を引き抜こうったってこれも少々では抜けなくなる。
これを抜こうとするときに、無意識に腰の入った動きになる。
力づくではダメだ。気持ちによゆうを持って、抜こう~とすると、全身が協調したきれいな動きになる。
パンをこねるとき、肩や腕は力を伝える通路としてよけいな力みを抜く。すると腰の入った動きとなって疲れない。また、イスに座ってこねるのは苦しい。足元から手の先まで力の通路を確保した立ち姿でないと、長時間こねることはできない。力づくでは無理がある。やってみれば分かる。

体はちゃんと知っている。
先端を中心にした動きでは力がじゅうぶんではなく、役に立たないということ。
体の重心にできるだけ近いところを軸にして動けば、効率よい動きで力が発揮されるということを。
操体法の動きでじゅうぶんに体を調整したい場合、「重心=腰、へその付近」を意識することだ。
あらゆる動きを、重心の移動で行う。バランスを崩さない体の運びであり、どこにもムリのかからない動きである。
そういう動きを身につけるために操体法はあるといってもいい。
相手をねじ伏せ倒そうとする格闘技も、力づくでやるものではない。重心をはじめとする、見えない力のバランスを操作することを身につける。その点でむしろ操体法は格闘技に共通する部分がある。

いつまでもまんぜんと動くだけでは操体法が、泣く。
今の動きは、どこを支えに、どこに力が伝わっているか、伝わらないか。重心は、重心線は、などと、ちょいちょい意識する。
意識しても分からないときは、もがく動きをよみがえらせ、そこから力みを差し引いてみる。
いろんな動きを引き出せるよう、泥田に入るもよし、強力小麦粉をこねてみるもよし、体の具体的な実験を積み重ねる。体に備わった動きを引き出して、記憶させておく。
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