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渓流を見下ろす岩の上で握り飯を食べる。
2012/06/10(Sun)
魚たちにお相伴してもらう。飯を放るたび、岩陰から大小の魚たちが躍り出てきて、ゆらゆら沈む白いものはあっという間に消え去ってしまう。
空から降ってくる飯は何の不審も持たれない。食べ物に群がる正直な生きものの姿はあまりに無防備で、それがかわいくもありまた哀れなようでもある。

岩の上から黙って見おろす私のことを、彼らは知らないだろう。私だって彼らについてそう多くは知らない。
私もまた水に泳ぐ魚たちのように、陸上で泳ぐだけのこと。人気のない山中で、誰も見ていないのをいいことに、岩の上にのんきに座り込んで、豆ご飯のお握りなんかをむしゃむしゃやってよろこぶ私もまた、他愛もない一匹の魚と何ら変わりない。
握り飯を食らう私のことを、どこか遠くで眺めている存在が、ぜったいにいないなどと、誰が断言できるだろう。

午後から雲が厚くなってきた。
夕方にはひと雨来るらしい。
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