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体にさまざまな音色をきく-全身骨格の改造②-
2013/03/18(Mon)
なぜ、こんなにも幅広い感覚のグラデーションが、人間の体に具わっているのだろうと、不思議に思うことがある。全身の感覚のグラデーションを読み取りながら、ゆっくりと体を動かす心身の調整法。それが操体法である。

体の歪みは筋肉の力学的アンバランスの結果を物語っている。
あちこちの筋肉どうしが綱引きしながら、全身のバランスを保とうとしている。自然なバランスとは、全身まんべんなく負担を引き受けている。不自然なバランスとは、負担がどこかに集中し、かたよっている状態。
骨格の互いの位置は、姿勢にあらわれる。疲れがひどかったり不都合が生じたりしているときには、体の歪みも見えやすい。体の中で、押したり引いたりのけんかがあちこちで発生し、一番しわ寄せになったところがとくに、目に見える決定的な歪みや症状として表現されている。
力学的アンバランスは、目に見えない力の綱引きの結果。目に見える歪みをどうにかしたくて切り開き、「ここに固定してやる」式が、意味のある問題解決とはとうてい思われない。

それじゃあ、どうするの?
まずは筋肉を触ってみよう。腰でもいい。腕でもいい。手で注意深く、探りをいれてほしい。
骨格は筋肉で二重三重に覆われているのだから、体に触れれば皮膚の下は筋肉ばかりである。
同じ腕の筋肉だというのに、いろんな手触りがある。硬いところ、やわいところがある。硬い中にも、筋ばってピンとしたところもあり、ゴリッと塊になっているところなんかもある。
指先で軽く押さえ、圧を加えていくと、いろんな感覚が感じられる。一番気持ちよい圧の加減もあれば、不愉快になる圧の加減もある。心地よい痛みもあれば、イヤな痛みもある。
深さによって、圧の加減や感覚は異なる。圧をかける角度によっても、感覚は異なる。

操体法の手始めは、人体がじつは楽器のようにいろんな音色の備わった楽器であるという発見が必要なのかもしれない。筋肉には多くの情報をキャッチする感覚器が具わっている。それはなぜなのか。
体の動きに伴う感覚を実感し、その実感の上で、体の調整がはじめて成立する。


「全身骨格の改造は自分の手で」のつづきです。(この項おわり)
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