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心の歩き方はどうなっているか-体のクセを洗い落とす-
2013/02/22(Fri)
傘を握ってバットにみたて、スローモーションでスイングする。傘を握る右手が左手の上ならば右スイング。左手が上ならば、ぐっと体を左に寄せて左スイングである。
ゆっくりと、スイングを繰り返す。右スイングと、左スイング。
どちらも同じ感じだという人は、まず、いない。体は左右対称ではなく、体の使い方も左右対称ではない。だから体を調整してととのえることを知らないままならば、ふだんの動きの偏りから体の偏りが生じ、どこかは酷使され、どこかはあそんでいる。そうした役割が固定化することによって、健康上、何らかの不利益が生じることもやむをえまい。

右スイングの構えでは、右足に体重をのせ、それを左足へと移しかえることで、傘を右から左へと流すことができる。このとき上半身は、右ねじりから左ねじりへと移り変わる。右腰が、ねじりの動きを支える要である。ゆっくりと何度も右スイングをしてみる。角度も変えて試してみる。そうするうちに、「恐らくこの動きなら、このあたりを最も酷使する」などということも、わかってくる。

次に、左スイングを実行してみる。左足に体重をのせ、それを右足へと移しかえることで、傘は左から右に向かって流れてゆく。上半身は、左ねじりの構えに始まり、右ねじりへと収束する。今度は左腰が、上半身のねじれと下半身のねじれを支える要となる。個人差はあるが、右利きの人は左スイングがぎこちない。右利きの人はとくに左側の腰や、肩甲骨付近の筋肉が硬直している人が多いから、左にねじろうとしても、じゅうぶんな角度までねじることが物理的にできなくなっていることもある。

西洋の体の動きは「体をひねる・体をねじる」ものが多い。スポーツにせよダンスにせよ、いかに腰をじょうずにねじるか・ひねるかで、優劣が決定される。ところが日本の先祖伝来の動きは「体をひねらず・ねじらず」である。日本がレスリング得意なのは、必ずしもひねったりねじったりしないで済む競技だからだ。
日本人は、日本人の体にあった歩き方さえ失っていると指摘する声もある。ただ「歩く」というだけでも、欧米と日本とでは原理がまったくちがう。
西洋の人間は、体をひねり、ねじることで歩行してきた人類である。しかし日本人は、体をひねらず・ねじらずに歩行する歴史を重ねてきた。日本人の歩き方の西洋化は「文明開化」の時代に始まる。歩行の変更は、体の中を伝わる力の通り道の変更である。体のバランスが根本から異なり、その影響は全てのしぐさにまで及ぶ。呼吸のしかたさえ違わずにはいられない。異文化とはそういうものである。

「文明開化」のツケが、どこで、どのような形で、今の自分の体を左右しているだろうと思うことがある。「国際化」とは耳に心地よい便利な言葉だけれど、要するに、先祖伝来の体のルールを、欧米方式にあらためなさいということでもあろう。ひねらない・ねじらない日本古来の動きは「なんば」といわれるが、とっくの昔にまぼろし化している。ものの本によると、先祖伝来のなんば歩きを試行錯誤していくうちに、ものごとの感じ方や精神のはたらきまでが根本的に変わってゆくのが実感されるのだそうである。
操体法で体のクセ・動きのクセを少しずつ洗い落としていく作業の中で、そんなところに考えが至ることも、ある。

※三月の公開講習は、三月二十日(水)が決定しております。14時以降の時間帯で自由に参加できます。予約不要です。その他の日程は、決まり次第お知らせいたします。
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