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自分の目の奥にしまってある、はるか遠くの、うつくしい場所
2012/08/14(Tue)
べつに金にもならず、人のためにも社会のためにもならない。行かなければ行かないで済む。生活に何の役にも立たないし、むしろ生活のじゃまになる。
山は、そんな場所。
行こうと思えば行けないこともないが、いつまでも行けるとは限らない。時間も気力も体力も一定レベルをクリアしない限り、いつか遠のいて行けなくなってしまう。
自分の一番行きたがる場所というのはそういう場所だった。

そんな場所のことにかまけて時間さえあれば出かけて行った。
死に場所としてもいいと思われるほどに美しい光景を宿している山は、生き場所としてももちろん素晴らしい場所だった。山の美しさを知るとキリがない。美しさを追って山に入り浸っていた頃は、あたりまえのように思っていた。どれだけめぐまれていることか、どれだけ幸せなことか、ほんとうは自分自身よくわかっていなかったように思う。
ただ自分の身をそこに置くということだけのために多くの時間と体力とを捧げたが、自分が差し出した以上のものを必ずよこしてくれた。それが自分にとっての山だったのだと思う。

街で埃にまみれて這いずりまわる日常の中で、ふと気がつけば自分がまるでべつの場所にいる心地で過ごしているように思われることがある。
今の自分では行けなくなってしまった、はるか遠い場所が、実はいつでもすぐ手の届くところにある。
自分の目の奥にしまってある、たくさんの、うつくしい場所。
ほんとうは、自分の心の中以外には、どこにもない場所。
それぞれが、一回こっきりだった、あのころの自分の目にしか映らなかった、二度と行けないであろう、あの、うつくしい場所。
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