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虫は地球を救うのか-汚れた大地や身体を浄化する虫たち-
2012/06/11(Mon)
山でダニにくわれた。そう話すと、「陰性のやつに虫はたかってくるんだ」という。「くわせておけばいい。瘀血を吸ってくれる」。そんなことを言われるので、「えっ?ヤですよ、あとがかゆいし」と騒ぎ立てたら、「かゆいのを掻くのが、またいいんだ」と真顔である。「そんなのマクロビオティックの常識じゃないか」。
ゴキブリだとかダニだとか、害虫とされるものは、害虫といわれるだけに、かえっていじめてはならない気がする。しかしだからといって自分から好き好んで「さ、くってくれ」と虫の前に体を投げ出すだけの勇気は、さすがにまだない。

「虫をころさないで」。風の谷のナウシカでは大地の汚染を浄化するために虫たちは立ち働いている。
それが分からない人間どもが虫を殺そうとやっきになる。
あの宮崎駿のアニメは虫が地球を救うという話だ。
マクロビオティックでも同じことが言われている。虫も病気も、汚れた大地や身体を浄化するというのだが、アニメとマクロビとどっちが先かというと、それはマクロビのほうだろう。

病気も虫も、殺そう殺そうとするのが今の人間の主流だけど、病気が生じたり虫がたかってくるにもちゃんとした理由がある。そこに汚染や毒素が関わっているというコンセプトで方策を立てるのが東洋医学の基本である。
しかし毒素を排泄するにもエネルギーが必要である。もともと体に力がないから老廃物がたまるのだ。口に入れるのはカンタンでも、出すのはそうカンタンではない。それを考えれば虫に食わせるくらい、何でもない。むしろありがたいというのが本筋である。

「ダニも蚊も、山にはいくらでもいるしなあ。あいつらにタダ働きしてもらうか。かゆいのだって、まあ一週間や二週間そこらのことだし」。
確か、外で一晩じゅう座禅を組んでいた人の話があった。定からさめて体を動かすと、胴回りに吸いついていた蚊がばらばらとこぼれ落ちた。身動きが取れないほどたらふく血を吸った虫たちは、赤いグミの実さながらであった。そのような話である。
蚊をぱちぱちやりながらではたしかに座禅も組めまい。「さあ、くえ」と身をさらすようでなければ。
ひょっとして、そうやって虫にくってもらいつつ質素な食事と激しい作務をこなすうち、毒素が追い出されてクリーンな体となり、頭も冴えて悟りが開ける。そういう話なのかもしれない。

虫はこれから増えてくる。修行僧になるか、ならないか。わたしの中では今、そういうことが考えられている最中である。
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