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心に一握りの土-食べようか植えようか-
2012/06/05(Tue)
食べそびれた百合根を鉢に植える。一つ食べたらホクホクと甘くて美味かったが、残り二つは傷んで捨てるにしのびず、植木鉢の土に埋めたら、太い茎がにょきにょき伸びてゆき、今ではたくさんのツボミまでつけている。ゴミ寸前からずいぶんな出世をしたものだ。

おいていた野菜や、切って残ったままのお野菜が、萎びながら傷みながらも生きる営みをやめないでいるのを見ると、合理的に捨てるのはしのびない。
傷んだ野菜は食べる気も失せるから、「食材はムダのないように買いましょう」という標語もあるが、これを土に戻すのなら枯れようと生きようと、全くムダになることはないのである。

マンションやビルに住んでいると、それでも捨ててしまわないとどうしようもない。
「食材は、過不足のないように」という合理性と、「傷んだらゴミとして捨てる」という合理性とを身につければ生きやすい条件なのである。
身近に土のある暮らしだったならば、生きたものを、ぽいとそこらに逃がしてやれる。自然のふところに返してやれるのである。掘って埋めてやるくらいの親切は、すぐにできる。そこが墓になるもよし、新しい生命の営みと繁栄の場になるもよし。あとは運まかせ風まかせだ。
井戸端で野菜など洗ったりする生活だったら、そこらじゅうの土は肥え、花が咲き、何年かするうちにはふたたび立派な収穫をもたらしてくれることだろう。
そんならちもないことを想像する。

口にするものは、できるだけ新鮮なものがよいという。
加工食品はすでに死んで時間が経ちすぎている。土に埋めたらまた息を吹き返すようなもの。それを基本にすると間違いないように思われる。
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