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臓器のはたらきが改善した先に、臓器そのものの改善がある
2012/03/16(Fri)
( まずは、目に見えない「はたらき」の改善のほうに取り組む  のつづき。 )

肝臓は肝臓の細胞でがんばって、胃袋は胃袋でがんばっているのだろうか。
臓器は単独プレーはしない。胃液が出てくるのだって、たくさんの連係プレーあってのことである。
もともと臓器はつながっている。それをあえてバラバラに区切り、名前をつけたのは人間のほうだ。そういうことをすると、見えるもののほうが強調され、目に見えないつながりや働きのほうは、さっぱり見えなくなってしまう。
人間にもたらされる利益と損害のことを考えてみると、バラバラの名前を用いるのには気をつける必要があるだろう。

刺激に対する反応が、いくつもいくつも連鎖し、いくつもの連携をしあっている。一つの刺激が、いろんなところでいろんな意味を持ち、いろんな反応が同時に、もしくはタイミングをはかりながら展開してゆく。それが生き物の体でのできごとだ。
一つずつのことがらの背後に、いくつものことがらが関わっている。このことが、実は人間の把握できる領域ではない。「まだ分かっていないことも多い」という負け惜しみのようなセリフで片付けられているが、目に見えない未知の世界は体の自然におまかせする以外にない領域といえるだろう。
刺激に対する反応を推し進めたり、押しとどめたりするコントロールも驚くほどきちんと働いている。反応どうし連絡をとりあって、「せーの」とベストなタイミングで取り行う。万事そうでないと困る。
そういう営みなのだ。生きている体というものは。

全体を把握し、あちこちに声をかけながら、日夜コントロールの指揮をとる。それが脳や自律神経のはたらきである。臓器のはたらきの回復と、自律神経の働きの改善とは、切っても切れない仲ということが分かるだろう。
24時間パトロールし続ける感覚神経。そして24時間コントロールの指揮をとる自律神経。
肝臓は肝臓で、胃袋は胃袋でがんばっているのかもしれないが、臓器のはたらきを調整し、あやつっているのは神経系統である。神経系統の健全なはたらきが、何をおいても重要だと指摘したのが、橋本敬三医師だった。

自力で体を動かす。他人にさすってもらったり、もんだりしてもらっていては、できないことがある。
自力でしかできないこと。それは自分の感覚をはたらかせ、それと同時に運動神経をはたらかせるということだ。随意の感覚神経と運動神経を協調してはたらかせる。そうすることで筋肉がゆるむ。ほぐれる。すると血流が改善する。そこに自律神経の働きが改善され、臓器のはたらきの回復もなされる。
それが橋本敬三の操体法のベースにあるといっていいのではないだろうか。
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