まずは、目に見えない「はたらき」の改善のほうに取り組む
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2012/03/15(Thu)
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「わるくなった胃袋なんか、いらない。さっさと切ってくれ」と言って手術してもらったという話だった。胃袋なしの生活を始めてから悔やんだという。
臓器は機械とちがって自己回復力を持つ。一時的な器質の異常をいちいち切除していたら身は持たない。 臓器を失った体では、もとの日常へ戻る退路は断たれる。腹の中は見えないが、手足を切るのと同じだ。いや手足を切るより深刻な点もある。臓器を切除するというのも命がけであること、忘れたくはない。 ダメになったリンゴは色も味もわるくなる。肝臓がわるい、胃腸がわるいというのも似たようなイメージなのだろう。わるくなったリンゴのように、もうわるくなってしまっている臓器なら、切り捨てるしかない。そういう発想。 いともカンタンに「○○がわるい」と言うが、じつはきちんとした二つの意味がある。 一つは「はたらき」の問題。もう一つが器質の問題。 「はたらき」は、目に見えないもの。「器質」は目に見えるもの。 肝臓がわるいといっても、いきなり時計がこわれたり、リンゴが腐ったりするような異常が起きるはずはない。働きがおかしくなっても持ち直すことが多いので、まず体への負担を減らす。養生して様子をみるわけである。 働きが回復しない場合には、器質的な問題へと発展する。器質的というのは、組織をつくる細胞そのものが弱って損傷したり死滅したりすることで、リンゴがスカスカになったり変色したりするようなことにかなり似てくる。器質的段階のダメージで、回復不能なことも発生する。 まず「はたらき」に問題が発生する。それが発展して行き着く先に、器質的な問題がある。 よって、器質的な問題の解決には何をおいても「はたらき」の改善が、ぜったいに欠かせないというのがりくつである。 切って捨てて終わりにはならない。切って捨てようと捨てまいと、いずれにせよ、機能の問題を解決しなければならないのだ。 何よりもまっさきに、臓器の機能・臓器のはたらきを改善する。器質的なダメージがどのくらい回復するかは、臓器のはたらきの改善を積み重ねて見守るしかなかろう。 ( 臓器のはたらきを改善した先に、臓器そのものの改善がある へつづく。 ) スポンサーサイト
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